眠れないときは
寝付きが悪い、途中で目が覚めるなどの慢性的な不眠症状で困っている人ほど、不眠をさらに悪化させる行動がしばしば見られます。そのような「誤った睡眠習慣」を正すだけでも不眠が軽くなることが分かっています。不眠を悪化させる第一の行動は、寝床へのしがみつきです。不眠症の人は「横になっていれば眠くなるはず」「体が休まる」などの誤った思い込みで、極端に早い時間に寝床に入ろうとします。実は「眠れないときは寝床から出る」が正解。眠れないままに寝床にいる時間が長いほど、不眠恐怖が強まってしまうためです。そのうちに、電車の中やリビングのソファではうとうとできるのに、寝床では緊張して目がさえるという状態になります。これを不眠の条件付けと呼びます。不眠の人ほど寝床にいる時間は短くする方が良く、実際に眠れている時間プラス30分〜1時間程度に抑えるようにしましょう。
第二に、不眠の人は寝床で本を読んだりテレビやラジオを視聴したりすることが多いのですが、これも不眠症には大敵です。ベッドで睡眠以外のことを習慣的に行っていると、横になるだけで自動的に頭が活性化して目が覚めるという、やはり不眠の条件付けが作り上げられてしまいます。不眠症は不眠恐怖症、ベッド恐怖症です。不眠恐怖を克服するには、寝付けないときは寝床からいったん出る、寝床では眠ること以外はしない、しっかりと眠気が来るまで寝床に向かわない、ちょい遅寝がコツなのです。