快眠のコンディション作り
睡眠は実に多くの生体機能に支えられています。例えば、普段の就床時刻の2時間ほど前から、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌が始まります。メラトニンは部屋が明るいと分泌されにくくなるので、きちんと照明を消して眠ることをお薦めします。逆に昼間に太陽光をしっかり浴びると夜間のメラトニンの分泌量が増えることも分かっています。
メラトニンは手足から熱を逃がし体の深部(脳)を冷やす作用を発揮します。赤ちゃんの手がぽっかりしてくると間もなく寝付くのはこの現象のためです。脳が冷えることが深い睡眠にはとても重要です。横になるだけでも手足の血液循環が良くなり、熱は逃げやすくなるので、快眠のためにはきちんと布団に横になることも大事です。
入浴も快眠に効果があります。入浴後2時間ほどすると一汗かいて体の火照りが収まりますが、この頃に脳の温度が急降下を始め、就床のグッドタイミングとなるのです。冬場に重宝する電気毛布は、つけっ放しにすると布団の中が温まり過ぎて手足から熱が逃げにくくなり、睡眠が妨げられます。タイマーをセットして1時間ほどで切れるようにしましょう。
コーヒーやお茶に含まれるカフェインは、摂取してから4〜5時間は覚醒作用が持続するため、特に眠れない方は夕方以降は控えるようにしましょう。このように、就床時刻、生活習慣、寝室環境、そして体のハーモニーがそろって、初めて快眠が得られるのです。