治療法

持続気道陽圧療法(CPAP療法)

閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する治療法です。鼻に装着したマスクから空気を送り込むことによって、睡眠中に気道が閉塞することを防ぎ、無呼吸を軽減させます。終夜睡眠ポリグラフ検査で無呼吸低呼吸指数が20回以上、または簡易型終夜睡眠ポリグラフ検査で無呼吸低呼吸指数が40回以上の場合に適応となります。

口腔内装置

閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する治療法です。口腔内装置(マウスピース)により、睡眠中に気道が狭窄するのを防ぎ、無呼吸を軽減させます。軽症から中等症の睡眠時無呼吸症候群に適した治療法です。

外科治療(睡眠時無呼吸症候群)

咽頭扁桃(アデノイド)の肥大によって睡眠時無呼吸症候群が生じている場合には、外科的に切除する場合があります。他に、鼻閉改善手術や口蓋扁桃摘出術、などを行うこともあります。

睡眠衛生指導

睡眠の質を高めるために、睡眠に関する知識を提供し、睡眠習慣を改善する指導法です。代表的なものとして、定期的に運動をする、寝室環境(温度や湿度、音や光)を整える、規則正しい食生活をして空腹では寝ないようにする、就寝前の水分の摂り過ぎに注意する、就寝前のカフェインや飲酒を控える、寝床では考え事をしないことなどがあります。薬物療法に先立って(もしくは並行して)、睡眠衛生指導を行います。

認知行動療法

認知行動療法は、その人がもつ認知(考え方)や行動に働きかけて症状の改善を促す心理療法です。不眠症に対する認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia;CBT-I)もその一つです。睡眠日誌(毎日の睡眠の記録)をつけながら、心理教育(不眠のメカニズム、体内時計の仕組みなどの学習)、リラクセーション(漸進的筋弛緩法や呼吸法)、刺激制御法(寝床は寝るためだけに使う)、睡眠制限法(必要な睡眠時間のみ寝床にいる)などを行い、不眠症状と日中の不調を改善します。日本では保険診療の適応ではありませんので、各医療機関で定められた実費負担となります。

高照度光治療

人工的な高照度光(5000~10000ルクス)を用いて睡眠リズムや抑うつ気分を改善する治療法です。眼(網膜)から入った光が生体リズムや気分を調節するという作用を利用して、概日リズム睡眠障害や季節性うつ病を対象として行われます。日本では保険診療の適応ではありませんので、各医療機関で定められた実費負担となります。