睡眠薬

日本人の睡眠薬嫌いは世界一です。不眠の時にどのように対処するか世界10カ国の住民に尋ねた調査があります。ドイツやベルギーなどの先進国、中国やブラジルなどの新興国のいずれにおいても、半数の人々は医師に相談し、4割の人は睡眠薬を服用して治すと答えています。それに対して日本人はいずれの回答も1割前後で最も少ない事が判明しました。カフェイン飲料を控えるなど簡単にできる対処法も行わず、替わりに「寝酒をやる」という答えが最多でした。びっくりです。

日本では、睡眠薬として販売されていたサリドマイドによる薬害(催奇形性)、依存症、大量服薬による自殺期となど、睡眠薬には常に負のイメージがつきまとっています。しかし、最近開発された睡眠薬は安全性が高く、正しく服用している限り過度の心配は無用です。

いったん睡眠薬を服用しても不眠さえ治り、適切な時期に、適切な減薬法を用いれば、睡眠薬はやめられます。やめ方にはコツがあるので自己判断での休薬ではなく医師の指示に従ってください。残念ながら不眠症の一部は治療が長引くため、睡眠薬を長期間服用しなくてはならない方もおられます。

降圧剤やインスリンは仕方ないけど、睡眠薬は嫌ですか?でも、毎晩のつらい不眠を和らげるために睡眠薬を安全に服用するという考え方も決して間違いではありません。