子どもの睡眠

夜型生活の子どもが増えています。3歳以下でも夜10時以降に就寝する割合が半数を超え、10年前に比べて大幅に増加していることが調査で明らかになっています。特に大都市部の幼児は就寝時刻が遅く、寝不足が多いのが特徴です。

子どもの場合、眠気をうまく表現できず、イライラ、多動、衝動行為などで表れることも少なくありません。時には注意欠陥多動性障害や学習障害のように見えることもあります。

その他、子どもによく見られる睡眠問題には寝ぼけやおねしょがあります。

何回も起こる寝ぼけは睡眠障害のことがあり、睡眠時遊行症(夢遊病)と睡眠時驚愕(きょうがく)症(夜驚)がその代表です。睡眠時遊行症では、寝ぼけたまま起き上がり、寝室の外に歩きだすこともあります。睡眠時驚愕症では、叫び声を上げて目を見開き、顔は恐怖に引きつり、多量の汗、荒い呼吸などが見られるため、親も驚いてしまいます。なだめるとかえって興奮するので、治まるまで(多くは十分ほど)危険のないように見守るだけでよいことが大部分です。いずれも、多くは思春期までには自然に改善(消失)するので過度の心配は無用です。回数が多ければ小児科医や睡眠医療の専門科に相談してください。

5歳以降に週に2度以上おねしょがあれば、睡眠時遺尿症(夜尿)と呼ばれます。これ以前のおねしょは大丈夫。ただ、ストレスによって悪化することもあるので、対応の基本は「あせらず、怒らず」です。持続するようなら、泌尿器系の疾患がないか診察を受けるようお薦めします。